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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

2009年1月号 2009年2月号 2009年3月号 2009年4月号
2009年5月号 2009年6月号 2009年7月号 2009年8月号
2009年9月号 2009年10月号 2009年11月号 2009年12月号
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 『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
  ((公財)不動産流通推進センターのウェブサイトへ)

2009年11月号 飯田橋プラーノ

『不動産フォーラム21』2009年11月号表紙

住み続けられる街、働き続けられる街として「都市(とし)を重ね、歳月(とし)を重ねる」が、飯田橋プラーノのコンセプトだそうだ。
外濠内にあるこの辺りはかつて、江戸時代の大名米倉丹後守の屋敷街として栄えた地域で、近くには江戸城外郭の城門・牛込見附の跡である石垣が今も残る。粋な街・神楽坂も濠を挟んで目と鼻の先だ。
そんな由緒ある本地区の従前は、入り込んだ狭隘な道路に沿って小規模な住宅、店舗、雑居ビル等が混在しながらも、コミュニティ豊かな街であった。
こうしたことから、再開発事業で整備する施設建築物も当地の歴史と原風景を承継し(都市(とし)を重ね)、生活の継続を可能とする高品質でサスティナブルな(歳月(とし)を重ねる)ものが求められた。
都市(とし)を重ねる一つの解が、江戸の伝統イメージである格子、雁行、辻広場を継承した外部空間デザインである。敷地の高低差を活かした蛇行する坂道も味わい深い。
住宅棟で採用されたSI住宅※)は歳月(とし)を重ねるための解だ。可変性と更新性を図るために、十分な階高を確保し、フラットスラブ(梁のない住戸)や中央集約型設備配管システム等を採用している。
さらには、大地震時において構造体への影響を最小限に抑える仕組みとして、様々な揺れに対応する3種類の制振装置を組み合わせた。これもサスティナブルな生活を具現化する解の一つであろう。

飯田橋プラーノ

before

after

地区名称 : 飯田橋プラーノ
事業名称 : 富士見二丁目北部地区第一種市街地再開発事業
施設名称 : プラウドタワー千代田富士見(住宅棟)
         ステージビルディング(事務所棟)
         プラーノモール(店舗)
所  在 : 東京都千代田区富士見二丁目
竣  工 : 平成21年3月
敷地面積 : 78,412.45㎡(全体)
延床面積 : 74,335.12㎡(全体)
階  数 : 地下1階地上38階(住宅棟)
        地下2階地上17階(事務所棟)
高  さ : 137m(住宅棟)
        78m(事務所棟)
建築主 : 富士見二丁目北部地区市街地再開発組合
設計・監理 : 山下設計

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 建築設計本部開発企画グループチーフプランナー
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※)SI住宅 : SはSkeleton(スケルトン)の頭文字で、骨格、骨組の意味。IはInfill(インフィル)の頭文字で、充填物(空間・空隙を埋めるもの)の意味。SI住宅とは、建物の構造体(スケルトン)と内装・間取りや設備(インフィル)を構造上明確に分離した住宅のことをいう。一般に、集合住宅などでは、躯体の耐久性は高いものの、内装や設備はより早い時期に陳腐化・老朽化してしまう。そこで、両者を明確に分離することで、陳腐化・劣化やライフスタイルの変化により必要となる設備や間取りなどの更新・変更をしやすくし、建物全体の長寿命化を図る。

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