『不動産フォーラム21』 今月の表紙

昨年の4月、都営地下鉄大江戸線・東京メトロ副都心線の東新宿駅前に巨大なオフィスビルが出現した。高さこそ100ｍに満たないが、とにかくワイドだ。約1,800坪の基準階フロアプレートは、もちろん都内最大級で、ガーデンシティ品川御殿山の約2,050坪には及ばないものの、ＫＤＸ豊洲グランスクエアの約1,550坪やＮＡＫＡＮＯ ＣＥＮＴＲＡＬ ＰＡＲＫ ＳＯＵＴＨの1,530坪などを凌ぐ。
広さばかりでなく、外観も特徴的だ。ガラスを基調としながらも、あえて表面に不規則な凹凸を持たせることによって、組み合わせたベージュ色のプレキャストコンクリート板とあいまって、周辺への圧迫感や光の反射を軽減している。この辺りの新たなランドマークといえよう。
また、東新宿駅直結の利便性に加え、オフィスへと続くサンクンガーデン※）の通路に配置した店舗や、地下1階に設けたフィットネスクラブやクリニックによって、オフィス就業者のサポート機能が充実している。これらは、約1.3haに及ぶ外構空間の約40％を占める緑被との相乗効果で、地域一帯の賑わいと潤いにも一役買っている。
加えて、制振構造の採用や、72時間運転可能な非常用発電機の設置等により建物の安全性を高め、さらには地域貢献として防災倉庫やマンホールトイレの整備を行うなど、防災面もぬかりはない。
民間都市再生事業計画の認定を受けたこのビルでは、1万人以上の就業者が見込まれるという。

物件名称　：　新宿イーストサイドスクエア
所　　在　：　東京都新宿区六丁目27-30
用　　途　：　事務所、店舗、駐車場
竣　　工　：　平成24年4月
敷地面積　：　約25,810㎡
延床面積　：　約170,220㎡
高　　さ　：　約99ｍ
階　　数　：　地上20階、地下2 階、塔屋2 階
建　築　主：　新宿六丁目特定目的会社
設　　計　：　三菱地所設計・日建設計