『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2013年10月号 クロスエアタワー
このクロスエアタワーを語る際にはやはり、隣接する空中公園「目黒天空庭園※)」に触れずにはいられない。それは、首都高速3号渋谷線と中央環状(新宿/品川)線を結ぶ大橋ジャンクションの屋上にある。30mの高さに浮いた面積約7,000㎡の目黒区の公園である。もちろん、こうしたジャンクション屋上の空間利用は、全国初の試みだ。
大橋ジャンクションは、都心部にあることから、通常のそれと比較してもかなりコンパクトに納められている。だが、それでも国立競技場にも匹敵する広さ(約175m×約135m)をもつことから、その内側と屋上の有効活用は、早くから検討されていた。 様々な活用案が出されたものの、道路区域からくる法的な制約により、無難なところに落ち着いたという指摘もあるが、実際にこの場に立てば、そんな声を吹き飛ばしてしまうほどの爽快感と説得力を感じることができる。一方、ジャンクション内側も、フットサルコートがすっぽりと入る多目的広場「オーパス夢広場」として利用されており、都心部では貴重な空間だ。 近くを流れる目黒川は近年桜の名所として名を馳せており、目黒区でも区内5つの緑化軸の一つとして位置づけている。この目黒天空庭園とオーパス夢広場は、近隣の東山公園や菅刈公園・西郷山公園などとともに、その緑化軸の形成に大いに貢献している。 クロスエアタワーからは、3階と9階のエアガーデンで直結し、エレベーターを降りたその瞬間から、緑の広がりと空の広さを満喫できる。
物件名称 : クロスエアタワー
所 在 : 東京都目黒区大橋1-5-1
用 途 : 共同住宅、店舗、事務所、公益施設、駐車場
竣 工 : 平成25年1月
敷地面積 : 約7,199.73㎡
延床面積 : 約83,647.28㎡
高 さ : 約155m
建 築 主 : 東急不動産、東京急行電鉄、三井不動産レジデンシャル、
大成有楽不動産
設 計 : 大成建設一級建築士事務所
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業企画室長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
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