ホーム > 『不動産フォーラム21』 今月の表紙(2010年4月号)
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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

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  ((公財)不動産流通推進センターのウェブサイトへ)

2010年4月号 東急大岡山駅上東急病院

『不動産フォーラム21』2010年4月号表紙

東急電鉄大岡山駅の直上には、宮崎アニメを彷彿とさせる植物に覆われた面白い建物がある。普通、駅上の建物用途といえば、商業施設とするのが一般的だろう。しかし、この緑の丘のような建物は病院なのだ。
東京では市民の主たる移動手段は、電車やバスなどの公共交通である。それは多くの傷病者にとっても同じだ。とりわけ定期的に通院する者にとって、病院が駅直上にあることは有り難い。
しかし、駅上であるが故に、振動や騒音、あるいは電磁波等も避けられない。精密機器や病床を備え、センシティブな手術や診療を行う病院にとっては、どれも大敵だ。
これらのマイナス要素に対しては、予め軌道レール下部にコイルバネを埋め込んだり、建物の床・壁・天井に磁気シールド材である珪素鋼板を布設したり、あるいは各階の床に小梁を多く入れるなどして、療養・治療環境として適切なレベルにまで低減している。
また、冒頭で述べた壁面緑化は国内最大規模で、大岡山の新しい顔として、緑深かったかつての当地の風景を違う形で復活させるとともに、視覚的な面で来院者や入院患者に安らぎや癒しの効果を与えているほか、ファサードエンジニアリング※)の見地から建築の半開放型ダブルスキンと して冷暖房効率を上げる役割を担っている。

東急大岡山駅上東急病院

bloc plan

sectional plan

物件名称 : 東急大岡山駅上東急病院
用  途 : 駅舎、病院
所  在 : 東京都大田区北千束3-27-2
竣  工 : 2007年10月
敷地面積 : 6,127.60㎡
延床面積 : 1,3810.80㎡
階  数 : 地上5階、地下1階、塔屋1階
高  さ : 23m
建築主  : 東京急行電鉄
総  括 : 東京急行電鉄
デザインアーキテクト : 安田幸一研究室+安田アトリエ
設計監理 : 大建設計
設計協力 : 日建設計、スペースカウボーイ、フロムトゥ

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 建築設計本部開発企画グループチーフプランナー
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※)ファサードエンジニアリング : 建物のファサード(facade:外観、正面)は、デザイン性が重視される一方、内部空間と外部環境の境界にあって、光や熱、空気、音などの遮断・透過をコントロールする等の様々な機能が要求される。それらの要求を満たし、実現するための技術・工学をファサードエンジニアリングという。

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