ホーム > 『不動産フォーラム21』 今月の表紙(2010年12月号)
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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

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2010年12月号 平河町森タワー/平河町森タワーレジデンス

『不動産フォーラム21』2010年12月号表紙

このビルが建つ千代田区平河町は、皇居や国会議事堂、最高裁判所等に近接する、まさに日本の中枢を担う地区である。もちろん、鉄道や道路の利便性も高い。
そうした地区にありながら、このビルの敷地は長らく有効高度利用がなされてこなかった。それは、地下を東京メトロ半蔵門線のシールドが横切っていたからだ。超高層ビルを建てるには、そのシールドを保全する必要があるが、従前のように細分化された土地のなかで、おのおのがそれを実現することは難しかったのだ。
そこで、市街地再開発事業によって、これらを一体的に開発することで、大口径の杭と高剛性の梁で当該シールドを跨ぐ「メガ梁基礎構造」を採用することが可能となり、地下鉄の安全な運行を継続的に確保することができた。
そうして竣工したビルは、参加組合員として再開発を推進した森ビルが提唱する「バーティカル・ガーデンシティ」※)を具現化したものとなっている。13階までをオフィス、14〜23階までを住宅としたコンプレックスタワーで、高層化することで確保された足元のオープンスペースには、ふんだんに緑が設えられ、屋上緑化ともあいまって、皇居や赤坂御用地などと一体的な緑のネットワークを形成している。
最上階には、入居者がオープンエアでくつろげるルーフガーデンやパーティ利用が可能なラウンジがあり、東京の街を一望できるという。

平河町森タワー/平河町森タワーレジデンス

before

after

物件名称 : 平河町森タワー/平河町森タワーレジデンス
用  途 : 住宅、事務所、店舗、駐車場等
所  在 : 東京都千代田区平河町二丁目
竣  工 : 平成21年12月
敷地面積 : 5,592㎡
延床面積 : 約51,800㎡
階  数 : 地下2階、地上24階、塔屋1階
高  さ : 約102m(最高高さ約109m)
施行者 : 平河町二丁目東部南地区市街地再開発組合
基本設計 : 森ビル株式会社
実施設計 : 大成建設株式会社

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 土木設計本部開発企画部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※)バーティカル・ガーデンシティ : Vertical Garden City。直訳すると「垂直庭園都市」となるが、これを提唱する森ビルによれば「立体的な緑園都市」。細分化された土地をまとめ建物を集約・高層化するとともに、人工地盤や地下を活用することにより、地上に緑豊かなオープンスペースを創出するという考え方。

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