ホーム > 『不動産フォーラム21』 今月の表紙(2012年6月号)
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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

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2012年6月号 大阪駅ステーションシティ

『不動産フォーラム21』2012年6月号表紙

鉄道は19世紀初頭に蒸気機関の発明と共にまずヨーロッパで発達した。人々が集う駅では鉄とガラスによる当時の先端技術を駆使した巨大な空間が実現し、今もヨーロッパには多くの魅力的な駅空間が現存している。一方で近年は都市間競争の視点等から、鉄道駅は空港と同じく重要なインフラ施設であると再認識されており、日本でも駅空間の様々な試みが見られている。
そんな中、ヨーロッパの駅を彷彿させる東西180m、南北100mの大屋根に覆われた巨大空間が大阪駅に現れた。その大屋根が既存のホームを丸々と覆い、さらに橋上駅のコンコース※)上部を広場空間として確保した。
こうした大空間を実現するのは、ただでさえ容易ではない。ましてや、大阪駅は毎日80万人以上が利用する西日本最大の駅なのだ。毎日の駅機能を継続させながら工事を進めるにはより高い技術力が求められた。そうした技術力を持ってしても、安全確保の観点からホーム上の工事は電車が止まる深夜の2 時間半のみとなったことから、このような大空間を実現するために2004年から実に7 年以上を要した。
都市の顔としての魅力的な駅空間の実現のために、このような高度な鉄道技術が活かされる機会が今後、国内外でますます増えていくだろう。

大阪駅ステーションシティ

map

plan

物件名称 : 大阪駅ステーションシティ(駅改良工事)
用  途 : 駅舎、店舗
所  在 : 大阪府大阪市中央区梅田3 - 1 - 1
竣  工 : 2012年4 月
敷地面積 : 58,000㎡(全体)
建築面積 : 29,200㎡
延床面積 : 5,500㎡(橋上駅部)、36,800㎡(高架下駅部)
階  数 : 地上5 階地下2 階
建 築 主 : 西日本旅客鉄道
設  計 : 西日本旅客鉄道、JR西日本コンサルタンツ

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント  執行役員 事業企画統括部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※)コンコース : コンコース(concourse)は、駅や空港、公園などの大通路、中央ホール等を指す言葉。もともとは人や物の集合、合流を意味する語で、たとえば large concourse of people は大群集を意味する。

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