ホーム > 『不動産フォーラム21』 今月の表紙(2012年7月号)
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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

2012年1月号 2012年2月号 2012年3月号 2012年4月号
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  ((公財)不動産流通推進センターのウェブサイトへ)

2012年7月号 渋谷ヒカリエ

『不動産フォーラム21』2012年7月号表紙

東京・渋谷駅は、日本で最も有名な駅と言ってもよいだろう。その渋谷駅の東口正面という好立地に今春オープンした渋谷ヒカリエ。都市再生特別地区※1)の指定を受け、基準容積率815%から555%もの割増容積を獲得した。その背景には、渋谷の新しい拠点に相応しい敷地規模を創出した街区再編・敷地整序という概念がある。
現在は約1 haもの敷地面積を誇るこのビルも、従前は渋谷駅直近にありながら、敷地の多くは細分化されて、やや土地の利用勝手に欠けるエリアだった。特に2003年に東急文化会館が閉館されたことで大規模な空閑地が生まれ、周辺の老朽化した中小の雑居ビル群とあいまって、日本一繁華な駅前と言われる西口との落差を象徴した空間となっていた。
そこで、渋谷駅東口の都市再生に寄与する拠点を整備すべく、区道により分断された2 つの街区を統合して相応の敷地規模を創出する様々な手法が検討された。そうしたなかで採用されたのが、敷地整序型土地区画整理事業※2)を活用した手法である。
敷地整序型土地区画整理事業は、その名のとおり土地区画整理事業の一類型ではあるが、通常の区画整理のように単に公共施設の整備改善を土地の利用増進に反映するのではない。むしろ、公共施設の整備改善は最小限にとどめ、整序した敷地上に計画する建築物と連動しながら土地利用増進を検討することが必要である。このため、建築設計と区画整理の換地手法の融合した技術が不可欠だ。
なお、都市再生特別地区と敷地整序型土地区画整理事業の併用は全国初である。

渋谷ヒカリエ

before

after

物件名称 :  渋谷ヒカリエ
所  在 : 東京都渋谷区渋谷二丁目21番地ほか
用  途 : 店舗、劇場、集会場、展示場、駐車場ほか
竣  工 : 平成24年4月
敷地面積 : 約9,640㎡
延床面積 : 約144,546㎡
高  さ : 約183m
階  数 : 地上34階、地下4階、塔屋2階
事 業 主 : 渋谷新文化街区プロジェクト推進協議会
事業推進者 : 東京急行電鉄
設  計 : 日建設計、東急設計コンサルタント

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント  執行役員 事業企画統括部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※1)都市再生特別地区 : 2012年5月号の本欄参照。

※2)敷地整序型土地区画整理事業 : 2009年1月号の本欄参照。

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