ホーム > 『不動産フォーラム21』 今月の表紙(2014年4月号)
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『不動産フォーラム21』 今月の表紙

(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。

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2014年4月号 JR博多シティ

『不動産フォーラム21』2014年4月号表紙

博多駅は明治の時代から九州の玄関口として多くの人が利用してきた。
しかし近年は駅ビルの老朽化が進み、また九州新幹線の全線開通も2011年3月に控えていたことから、同時期の完成を目指して2006年より駅自体の機能強化、周辺の環境整備、地域の活性化等を図るべく、駅ビルの建替えを含む総合的な再開発が行われることとなった。
活性化を担う新駅ビルには、駅施設のほか大規模な商業施設の導入が不可欠であったが、鉄道施設、地下街、地下鉄などが敷地の内外にあって大きな商業プレートを確保することが困難だった。加えて、福岡空港から約2㎞の距離にあることから、航空法の高さ制限によって、縦方向に床を確保することも難しい状況にあった。
こうした状況を打開すべく、西側駅前広場上空に建物を張り出すことを目的に、ここでは立体都市計画を活用している。同時に、線路上部にも同様に張り出すことによって、奥行30mを50mにまで拡張せしめ、結果として大規模な商業プレートの確保と東西方向の回遊性の向上に成功している。この際、東には高架線路、西には地下街等があって両先端柱を支持地盤まで下ろすことができないため、3?5階を利用したメガトラス※)で支持する仮構を施している。
駅前広場の再編も同時に行われ、駐車場を地下に移すことで、歩行者空間の拡充やイベントスペースの確保等のニーズにも応えている。

JR博多シティ

before

after

所  在 : 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1番1号
用  途 : 駅舎、百貨店、物販・飲食店、映画館ほか
竣  工 : 平成23年2月
敷地面積 : 約70,916㎡
延床面積 : 約199,086㎡
高  さ : 約59m
階  数 : 地下3階、地上11階、塔屋1階
事業主 : 九州旅客鉄道、博多ターミナルビル
設計監理 : 博多駅開発設計共同企業体(三菱地所設計、ジェイアール九州コンサルタンツ)

写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント  執行役員 事業企画室長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)

※)メガトラス : トラス構造とは、三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式。部材の連結をピン支持で行う。部材間には軸力しか発生しないため、細い部材で構造物を構成することができる。

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