『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2014年7月号 JR 姫路駅ビル(ピオレ姫路)
姫路市には世界遺産で有名な姫路城があり、年間約800?900万人がこの城を訪れる。現在「平成の大修理」の最中にあり、来年度には生まれ変わった姿を現すようだ。
姫路市はその姫路城のおかげで観光事業が安定する一方で、地方都市にありがちな駅を中心とする市街地の衰退が課題としてあった。そこで現在、新たに活力を生むべくJR姫路駅周辺整備事業が進められており、姫路城のみならず、街全体が大きく生まれ変わろうとしている。
この事業は、街を南北に分断していたJR本線の高架化に始まり、南北循環道路の整備、駅前広場の整備、移設した貨物基地の跡地利用、新駅ビルの計画など、官民協同の壮大な計画である。6年前に高架化が完成し、国内最大級の駅前広場も完成間近となる中、事業の目玉であった「JR姫路駅ビル(ピオレ姫路)」が昨春に満を持して完成した。
地域活性化の起爆剤として期待されるこのビルは、地上で駅前広場、地下でサンクンガーデン※)、2階で展望デッキと繋がり、回遊性を強く意識した計画がなされている。集客は上々で、開業から1年間で予想を上回る約300万人が来客した。ファッショナブルな外観とテナントは市民の、特に若者の支持を得ていると聞く。
隣接街区では、ホテルやシネコン併設の商業施設が2016年までに完成する予定であり、一大事業は佳境を迎える。また、中心繁華街「みゆき通り商店街」のアーケードが駅前広場の整備に合わせて架け替えられるなど、波及的な更新も各所で見られている。
所 在:兵庫県姫路市駅前町188-1
用 途:物販店舗、飲食店舗、診療所
竣 工:平成25年4月
敷地面積:約 36,828.16㎡
延床面積:約 31,497.44㎡
高 さ:33.94m
階 数:地下1階、地上6階
事業主:JR西日本不動産開発株式会社、神戸SC開発株式会社
設 計:JR西日本コンサルタンツ、竹中工務店
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)サンクンガーデン : サンクン(sunken)は、「沈下した」「一段低いところにある」という意味の英語で、「サンクンガーデン(sunken garden)」は道路や地盤より低い位置につくられた半地下の広場や庭園を指す。「沈床園」「沈床庭園」と訳される。サンクガーデン(sunk garden)ともいう。(2013年1月号分より再録)p>
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