『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2015年2月号 御茶ノ水ソラシティ
久しぶりに地下鉄千代田線新御茶ノ水駅を降りて驚いた。エスカレーターに導かれるままに地上に出ようとすると、地下1階から地上へとつながる一体的な広場空間がそこにあったからだ。緑の中を陽光が降り注ぐ気持ちの好い空間だ。地下広場の周囲に配置された店舗を利用する人たちと動線上を行き交う人たちが適度に交錯し賑わっている。
この立体的な都市広場‐「ソラシティプラザ」と呼ばれる空間は、御茶ノ水駅前にあった日立製作所旧本社ビル跡地に建設された大型複合ビルに併設されたものである。本郷通りに面した約3,000㎡の地上広場と、地下鉄改札口に直結する約1,400㎡の地下広場の2層から構成されている。
地上のそれはニコライ堂や湯島聖堂の景観を楽しめるテラスがある開放的で緑豊かな広場で、南側には古くから「軍艦山」と呼ばれ地域に親しまれてきた一帯が保存されている。また、この地にあった岩崎彌之助邸・三菱社の煉瓦擁壁も一部再生されている。さらには書籍商の書庫蔵として1917年に上棟し、その後「淡路町画廊」として多くのアーティストや地域住民に親しまれてきた蔵も復元され、歴史の承継に一役買っている。
この広場を中心に歩行者ネットワークが整備され、JR線、地下鉄線、隣接するワテラス(淡路町二丁目西部地区市街地再開発事業)等が有機的に結びつけられている。こうした交流拠点こそが、御茶ノ水駅前に求められていたのだと実感できる空間である。
これらの公共貢献等により、都市再生特別地区の指定を受けて416%の割増容積を得ている。



所 在 : 東京都千代田区神田駿河台4‐6
用 途 : 事務所、店舗、大学教育関連施設、ホール・会議室、文化交流施設、駐車場
竣 工 : 平成25年3月
敷地面積 : 約 9,547㎡
延床面積 : 約102,232㎡
高 さ : 約110m
階 数 : 地下2階・地上23階・塔屋2階
建 築 主 : 駿河台開発特定目的会社※)
設 計 : 大成建設一級建築士事務所
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)特定目的会社 : 資産の流動化に関する法律(資産流動化法)に基づいて設立される会社。特別目的会社の一種で、債権や不動産などの資産を譲り受けて証券化し、資金調達を図るなどの目的のために設立される。一般の特別目的会社はSpecial Purpose Companyの頭文字をとってSPCと呼ばれるが、資産流動化法上の特定目的会社は、これと区別するためTMK(Tokutei Mokuteki Kaisha)と略称される。
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