『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2015年8月号 グランツリー武蔵小杉
今最も成長著しいまちのひとつが、武蔵小杉だろう。駅周辺はタワーマンションの建設ラッシュで、いつ訪れてもどこからともなく建設工事の音が聞こえる。今でこそ乗降客数39万人を誇る大ターミナル駅だが、大通りから一本入れば庶民的な飲食街や店舗が立ち並び、かつて汗を流していた工場労働者たちの息遣いが聞こえてくる。
東京機械製作所※)玉川製造所の移転に伴い、跡地に建てられたのがグランツリー武蔵小杉だ。「モノを売るだけでも便利なだけでもなく、お客様一人ひとりの暮らしを、人生を、もっと豊かに、もっと幸せにする場所でありたい」という思いから、ジャンルごとではなく、ライフスタイルごとに各フロアのコンセプトが設定されている。また、気持ちのよい吹き抜け空間や多目的スペースなど各所に、こだわりの共有スペースがとられている。
「愛」をテーマにした各フロアの中でも、ひときわ賑わっているのが日本最大級の屋上庭園「ぐらんぐりんガーデン」である。広さ約4,300㎡のこの庭園は「PLAY&JOY」、「RELAX」、「EAT&FLAVOR」の3つのテーマで構成される。それぞれのテーマに沿って約300本の樹木とその他約8,000株の植物が植えられており、各種樹木や季節ごとに植え替えられる花壇からは、四季の移ろいが感じられる。
そして何といっても子供に人気なのが数多くの木製遊具だ。休日には家族連れで一杯になる。今日も家族の愛に包まれた子供たちの声が聞こえてくる。そそり立つタワーマンションに囲まれたその庭園は、まさに「都会の中の家族のオアシス」である。
物件名称 : GRAND TREE MUSASHIKOSUGI
所 在 : 神奈川県川崎市中原区新丸子東3丁目1135 番地1号
主要用途 : 物販店舗、駐車場
竣 工 : 平成26年11月
敷地面積 : 約24,945㎡
延床面積 : 約19,617㎡
高 さ : 約25m
階 数 : 地下2階・地上4階
建 築 主 : イトーヨーカ堂
設 計 : 東急設計コンサルタント
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※東京機械製作所 : 東京機械製作所は、輪転印刷機を製造するメーカー。明治39(1906)年に国内メーカーとして初の輪転機を完成させた。玉川製造所は昭和12年につくられた工場。平成19(2007)年にかずさアカデミアパーク(千葉県)への移転を決定し、玉川製造所は平成23(2011)年に廃止された。
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