『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2015年12月号 飯田橋サクラパーク
江戸時代には武家屋敷が並び、交通の要衝ともなっていた飯田橋に、都心部の駅前にふさわしい新たなランドマークが現れた。
飯田橋駅周辺は牛込見附※)に始まり、外濠や靖国神社など、歴史的な地域資源が数多く残されている。また、学校や病院、商業施設などが集積した地域でもある。しかし、通勤や通学、通院の歩行者によって狭い道は埋め尽くされ、建物は老朽化が進んでいた。さらに密集した家屋によって歴史的資源は隠され、影を潜めていた。
今般、東京警察病院の移転に伴い、オフィス、住宅、商業の一体的まちづくりが進み、景色が一変した。
外濠側は「粋」、皇居側は「エスプリ」。住宅棟も業務・商業棟も、何か惹きつけられるような存在感を放っている。各棟のデザインにはコンセプトに合わせた素材や色彩が用いられた。外濠側に建つ住宅棟は江戸の心意気を感じさせるいぶし銀、皇居側に建つ業務・商業棟は明治時代から続くフランス文化の香りを思わせるシャンパンゴールドと、多様な歴史と文化が表現されている。
また、外構には開花時期の異なる10種類の桜を配し、外濠公園の桜と統一感を持たせている。そしてアプローチの壁面やオフィスエントランスに使われた石垣は牛込見附を想起させる。
今、飯田橋駅前を行き交い、学校やオフィス、病院へと向かう人々の目には、まるで現代に歴史が溶け込んだような風景が広がっているのではないだろうか。威風堂々と飯田橋の街を見下ろす姿は、まさに飯田橋のランドマークと言ってよいだろう。



物件名称 |
飯田橋サクラパーク |
飯田橋グランブルーム (業務・商業棟) |
パークコート千代田富士見 ザ タワー(住宅棟) |
所 在 |
東京都千代田区富士見二丁目 |
主要用途 |
店舗、事務所、駐車場 |
住宅、駐車場 |
竣 工 |
平成27年2月 |
敷地面積 |
16,710.50㎡ |
延床面積 |
124,002.61㎡ |
68,523.74㎡ |
高 さ |
149.88m |
149.14m |
階 数 |
地下2階・地上30階 |
地下2階・地上40階 |
建築主 |
飯田橋駅西口地区市街地再開発組合 |
設 計 |
日建設計・前田建設工業飯田橋駅西口地区市街地再開発事業 施設建築物実施設計共同企業体 |
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)牛込見附 : 「見附」は、街道の分岐点など交通の要所に置かれた見張り所に由来する言葉で、主に城の外郭に設けられた枡形の城門をいう。牛込見附は、江戸城に36あったといわれる見附の一つ。JR飯田橋駅西口を出て左側の牛込橋のたもとに、その石垣の一部が早稲田通りを挟んで残されている。現在、地名などとして名称が残っている江戸城の見附には、赤坂見附、市谷見附、四谷見附などがある。
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