『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2015年3月号 グランルーフ
東京駅は昨年12月に開業100周年を迎えた。JR東日本が進める東京駅周辺整備「東京ステーションシティ」計画は、その記念事業と言ってもよいだろう。2007年に日本橋口で超高層ビル「サピアタワー」を、八重洲口で「グラントウキョウ」のツインタワー(ノースタワーⅠ期、サウスタワー)をそれぞれ開業し(本誌2010年1月号参照)、2012年にはグラントウキョウノースタワーⅡ期と丸の内駅舎保存復元工事を終えている。そして、2013年にはこのグランルーフが完成し、昨年の秋に八重洲口駅前広場が竣工した。
このうち、丸の内駅舎保存復元が東京駅の『歴史』を継承するものであるのに対し、グランルーフは同駅の先進性・先端性が感じられる『未来』を予感させるものとなっている。まず、何と言っても目を引くのは、「光の帆」をデザインコンセプトとした透過性の大屋根である。滑らかなフォルムの鉄骨フレームと、その下に広がる1枚の大きな布のような膜屋根が織りなすダイナミックな「むくり※)」が、駅を行き交う人達を優しく包み込む。
続いて、2階歩行者デッキの240mにわたるグリーンウォール(壁面緑化)も圧巻だ。ポリエステル繊維と培土を固形化することで、保水性・通気性に優れた緑豊かな憩いの場を創出することに成功している。
グランルーフと一緒に整備してきた駅前広場は、もとの狭隘な広場と周辺の不整形な敷地を整序することで奥行きを拡張し、バス・タクシーとの交通結節機能を改善するとともに、「緑の雲」をテーマとした類例を見ない空間を創出している。



物件名称 : 東京駅八重洲口開発 グランルーフ
所 在 : 東京都千代田区丸の内1丁目9番1号
用 途 : 店舗、駅施設、駐車場等
竣 工 : 平成25年9月
敷地面積 : 約14,439㎡(施設全体)
延床面積 : 約212,395㎡(施設全体)、約14,144㎡(グランルーフ)
高 さ : 約27m
階 数 : 地下3階・地上4階
建 築 主 : 東日本旅客鉄道、三井不動産
設 計 : 東京駅八重洲開発設計共同企業体
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※)むくり : 建築用語で、上方に対して凸形に湾曲している状態をいう。逆は「そり」。
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