『不動産フォーラム21』 今月の表紙
(公財)不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター)編集・発行(発売:(株)大成出版社)の月刊誌『不動産フォーラム21』では、2009年1月号より、表紙及び表紙裏において、特徴のある都市開発プロジェクトを取り上げています。ここでは、その内容を転載するとともに、写真の別カットなども加えてご紹介します。
『不動産フォーラム21』最新号の内容は…
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2015年10月号 二子玉川ライズII-a街区
二子玉川東地区第一種市街地再開発事業は、都内最大級の民間複合再開発である(約11.2ha)。そのⅡ-a街区で二子玉川ライズがこの4月にグランドオープンを迎えた。地元の有志で再開発の検討を始めてから30余年という長い時を経て、ようやくの完成である。
東急二子玉川駅を下車し、2011年に開業しているⅠ-b街区のショッピングセンターのガレリアを抜けると、交通広場の向こうにⅡ-a街区のシンボルタワーが見えてくる。その30階建てのオフィスエリアに楽天の本社がテナントとして入居したことは大きな話題にもなった。超高層オフィスでは珍しいRC造で、基礎免震やコアウォール※)等を効果的に組み合わせることで実現している。
交通広場上空のデッキを渡ると、歩行者専用通路である「リボンストリート」における賑わいの様子がよく分かる。リボンストリートに沿って等々力渓谷の地形をイメージした空間が構成されており、店舗や屋上緑化が積層している。さまざまなレベルに配された緑も多摩川の生態系や原風景を目指している。来街者は色々な発見や楽しみを感じながら、リボンストリートをつたってタワーマンション棟のあるⅢ街区を抜け、世田谷区が整備した二子玉川公園まで回遊していく。
第1期事業で整備された住宅、店舗、オフィスに加えて、第2期事業ではホテル、シネマコンプレックス、フィットネスクラブなども整備され、一帯は巨大な複合エリアとなった。「水と緑と光」をテーマに開発がスタートした二子玉川は「働く・過ごす・暮らす」がつながる新しい郊外都市のあり方を世に示している。
物件名称 : 二子玉川ライズ Ⅱ-a街区
所 在 : 東京都世田谷区玉川1丁目14番1
主要用途 : 店舗、事務所、ホテル、シネマコンプレックス、フィットネスクラブ、駐車場、スタジオ・ホール、駐輪場
竣 工 : 平成27年6月
敷地面積 : 約28,082㎡
延床面積 : 約157,016㎡
高 さ : 約137m
階 数 : 地下2階・地上30階
建築主 : 二子玉川東第二地区市街地再開発組合
設 計 : 日建設計・アールアイエー・東急設計コンサルタント設計共同企業体
写真・図版・文 大場雅仁
㈱東急設計コンサルタント 執行役員 事業コンサルティング本部副本部長
(技術士・土地区画整理士・再開発プランナー)
※コアウォール : 鉄筋コンクリート造で、建物の下層部から最上階まで貫く建物中央部(階段室やエレベーター等のコア部分)を区画する耐震壁。連層耐震壁。
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